ひたむきさと団結力

本当にいいチームだったと心から思います。
パラグアイと引き分けて、PK戦で負けて、僕ら日本代表の南ア大会は終わってしまったけど、今回のチームを自分は本当に誇りに思います。

サッカーのチームで一番大切なのは、強いことじゃありません。
いや、強いことも大切だし素晴らしいんだけど、それも含めて「どれだけ応援したいか」なんです。
強さだけでチームを評価したら、大会やリーグの意味なんてそもそもなくなる。
W杯で優勝できるのは世界で1チームだけだし、J1だって18チーム中1チームしか優勝できない。優勝争いまでゾーンを広げたって、数チームだけですよ。

今大会の日本代表は、本当に心の底から応援したくてしかたないチームでした。
もちろんグループリーグ突破という結果を出せるだけの実力があったことも大きいけど、それ以上に「ひたむきさ」と「団結」が僕の心を棍棒で殴打した。

なでしこジャパンとも共通する、勝利のために、チームのために全てをなげうって戦えるスピリット。
スタメンもベンチも一体となって勝利を目指す、鉄壁のチームワーク。
そして勝負どころで発揮される素晴らしい才能。
このチームと一緒に戦いたいと心の底から思えた。


ただここで勘違いしてはいけないのが、このチームのひたむきさや団結が、決してメンタルによるものだけではないということ。
もちろん、選手全員の意識の高さが前提ではあるけど、それも結局チームマネージメントが上手くいっていたからこそなんです。

人は相当のマゾヒストや変人でもない限り、見返りのない努力を永遠に続けることはできない。
代表チームとしてW杯に出るんだから、ファイトしないヤツなんているはずがない。
それこそこういった大きな大会にはサッカー人生がかかっているんだから、誰だってがんばるに決まっている。

しかしいくらがんばったところで、それがチームのためにならないなら、やがて人の心は折れます。
いくら走っても攻撃や守備に効果的につながらないなら、いずれは誰でも走れなくなる。

でも今回の代表チームは、土壇場でのチーム大改造が見事にはまり、選手それぞれの踏ん張りが非常に敏感にチームに反映される状態だったんです。
だから全員が素晴らしい守備意識を見せて、すべての対戦相手に対してバランス良く守れていた。
そしてなによりチームプレイに徹することで、勝利という一番強力で分かりやすい見返りを得ることができた。

また川口や俊輔みたいなベテランが積極的に若手とコミュニケーションするなどして、チームの雰囲気がドイツ大会のときみたいな「俺が俺が」じゃなかったことも大きい。
本田や遠藤、岡崎といったゴールを決めた選手が、まず最初に控え選手の元へ駆け寄ったことが、チームの雰囲気の良さを表しています。



この写真は僕が一番好きなシーン。パラグアイ戦の延長後半に入る前、チーム全員での円陣です。


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