盲腸の手術に240万円

 ■子ども手当、22%が「家庭の日常生活費」に
(読売新聞 – 12月26日 19:58)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111226-OYT1T01145.htm

子ども手当の目的は、少子化を食い止めるため。
まずここが明確になってないと話にならない。

それではなぜ少子化を食い止める必要があるのか。
答えは簡単で、子どもが減り続ければ俺たちは生きることができないからです。

特殊出生率を今より劇的に上げないと、本当にこの国はめちゃくちゃになる。社会が成立しなくなる。

基本的にあらゆる仕事というものは、誰かの期待にこたえる対価としてお金をもらいます。
しかしこのまま子どもが減り続けると、その誰かがいなくなってしまいます。
この調子で労働市場全体が縮小していけば、最終的に日本は老人だけの貧乏な小国に成り下がる。

それを食い止めるため、なんとかして子どもの数を増やさなければいけない。

「子ども手当? そんなもん必要ねーよ。だって俺、子どもいねーし」
↑こういうことを言うのは本当の馬鹿です。
もし1ミリでもそう思ったことがある人は今すぐ改めましょう。

子どもが減って老人が増え続ければ、税金やら保険料はどんどん上がります。
当然です。子どもが減る=将来働く人が減るわけですから、労働者が減って働かない老人が増えれば、老人を生かすための莫大なコストが社会全体に発生する。

このままでは、国民皆保険が崩壊するかもしれない。
今の日本は、国民なら誰でも保険診療が受けられます。
保険診療のすごいところは、代金の7割を国が負担してくれるところ、そして診療内容に応じて費用が国全体で決められていること。
しかしこのまま老人が増えて働く人が減っていけば、このシステムを維持できなくなる日が来る可能性があります。
実際今でも保険料はじわじわ上がってますからね。

保険診療が崩壊すると、アメリカみたいに病院代が自由競争になるでしょう。
こうなったら完全に北斗の拳状態です。
アメリカは病院の診療代がアホみたいに高くて、貧乏人は病気になっても病院に行けません。
ニューヨークで盲腸の手術のために一日入院すると、240万円かかります。貧乏人は死ぬしかないね。
アメリカでは病気になって自己破産した人が数百万人いると言われています。
人の住む社会じゃないですよ。
(今話題になっているTPPに日本が参加したら、医療自体が自由化されて保険診療が撤廃される可能性もあって、これまたおそろしいです)

このまま子どもが減り続けたら、俺たちが老人になったとき病院に行けなくなるかもしれない。
あるいは老人はまとめて山に捨てられちまうかもしれない。

そういう状態になるのが嫌なら、せめて「少子化は本当にやばい」ことくらいは認識すべきです。
そしてその少子化を少しでも食い止めるための政策が子ども手当なのです。

たしかにやり方はまずいかもしれないけど、少子化対策そのものは絶対必要です。
これはどこが政権政党でも変わりません。
だから子ども手当自体を叩くのは俺から見たら異常です。狂ってます。

子どもを産んで育てる家庭を支援することは、社会としては当然です。
支援なんて生ぬるいものじゃなくて、明らかに優遇するべきです。
それが結局社会全体の幸福に直結するのだから。
だから実際子どもを育てている家庭が、子ども手当をなにに使ってもいいんです。
そんなことはたいした問題じゃないのですよ。