サッカーは国家総力戦

2013-06-28

サッカーは国家の総力戦です。

国全体で最終目標に向かって突き進むことこそ、サッカーという競技の究極レベルの醍醐味です。

ロンドン五輪で男子チームは世界最強のスペインに完勝しました。
この勝利には、作戦が完璧にハマり、日本選手が非常に素晴らしいプレーをし、さらにスペイン側に油断があったり、いろいろな要因が絡み合った結果です。
これらにくわえて、僕が重視したいのは、今の若い選手が相手がどこだろうと、臆することなくプレーするメンタルです。


10年前、20年前の日本代表は、国際大会に出ると、どこか相手のことをリスペクトしすぎている感がありました。
つまり、欧州や南米の強豪は、明らかに自分たちより格上、といった雰囲気を感じたものです。

しかしまさに今ロンドン五輪に出ている若者たちは、幼少のときすでに日本にプロリーグがあり、日本代表がW杯に出て世界と戦うことが当たり前の状況で成長してきました。
そして今や多くの若者が海外のリーグに挑戦しています。

そう、彼らにとって日本は決してサッカー後進国ではないし、外国人と戦うことは少しも珍しくない日常なんです。

これこそ、この国のサッカーに関わる人全員の積み重ねで生まれたゆるぎない土台です。
戦前から続く長いサッカーの歴史のなかで、多くの選手や関係者が築き上げてきたものがあるからこそ、スペインと真っ正面から殴り合って殴り倒すことができたのです。
1996年のアトランタ五輪でブラジルに奇跡的に勝利したときとは、根本的に意味がちがうと僕は考えます。

勝敗は兵家の常。
結果以前に、強豪国と対等なメンタルで戦ったことはなににも代え難い意義があります。


それではサッカーにおける最終目標とはなにか。
もちろん世界制覇ですよね。

日本代表がW杯をかかげることが、僕にとっての人生をかけての目標です。

「目標っていうけど、君は選手でもなければ関係者でもないじゃん」

って思う人がいるはずですが、そんなことはないんです。

サッカーを愛する人全員が、この国のサッカーが強くなる道を作ります。

僕は東京ヴェルディのサポーターですが、ヴェルディを応援するためにチケットを買い、スタジアムで選手を応援することで、チームが強くなり、選手が成長します。

今回の五輪には、ヴェルディの妹分の日テレベレーザから3人のなでしこジャパン代表が選ばれました。
また五輪直前までヴェルディでプレーしていた杉本健勇も、男子代表に選ばれています。


言ってしまえば彼らの年俸の一部はサポーターが買うチケット代だし、彼らが全力でプレーできるようスタジアムで選手を応援するのがサポーターという存在です。

サッカーを愛する人すべてが、この国のサッカーの強化に関わっています。

2005年元日の天皇杯決勝(ヴェルディが優勝!)で、川淵さんは、

「2050年までに日本でW杯を単独開催し、その大会で日本が優勝する」

と宣言しましたが、こういうでっかい目標を達成させるのは、サッカーに関わる人全員の力です。


というわけで、五輪が終わったらみんなでJリーグとなでしこリーグを観ましょう!
国内リーグの盛り上がりは、めぐりめぐって代表チームの力になります!
大きな大会が終わったらサッカーを観なくなるなんで、ホントにもったいないですよ。