ライブハウスが新しい音楽と出会う場所という役割を失っている件

2015-01-11

新しい音楽と出会うための場という役割を、フェスやYoutubeがライブハウスから奪ったんじゃないかなとふと思った。

音楽が好きな人が、夢中になれる新しい音楽を探しているのは、今も昔も変わらないと思う。

でも今のライブハウスは、数が増えすぎたこともあって、誰でも金を払えば出られるレンタルホール状態。昔はライブハウスがバンドを選べたから、音楽のクオリティがある程度保障されていたけど、今はまさに有象無象状態で、たしかに素晴らしいバンドもたくさんいるけど、それと同じかそれ以上に普通のバンドもたくさん出ている。

そして大半のライブイベントはホールにほとんど人がいない閑古鳥状態。仮に良い演奏をしていても、こんな寂しい状態じゃ人間心理的に良いライブ、良いバンドには感じません。端的に言って、人がいないライブハウスに出ているバンド=不人気バンドという印象が固定されて、夢中になれる新しい音楽の候補にはなりようがない。

いくら音楽が好きでも、こんな状態のライブハウスから新しく好きになる音楽を探せというのが無理な話。

そのかわり最近のフェスは、出演バンドの数がものすごく多くなっていて、しかも来場者がたくさんいて盛り上がっているから、人気があると感じられるバンドのリストから自分好みの音楽を選ぶことができる。

またYoutubeをはじめとするインターネットでは、無料でいろいろな音楽を聞ける。人気は閲覧数でわかるから、わざわざ金払ってライブハウスに行かなくても、新しい音楽と気軽に出会うことができる。

僕もバンドやってて、ライブハウスにしかない音の良さやアーティストとの距離の近さなどの魅力はいっぱい知ってる。まだ体験したことないなら、ぜひ一度あの狭い空間での爆音の残響を一度は全身に喰らってほしいけど、もはやライブハウスが新しい音楽と出会うツールとしては、時代遅れというか、効率的でないことも感じている。来てほしいけど、来いとは言えない。

どうすればライブハウスが盛り上がるかは、まったく僕にはわからない。それに音楽は良くも悪くもその時代を表す流行なんだから、ずっと同じやり方が通用することのほうが無理がある。

そしてそもそも音楽の素晴らしさはいつの時代でも変わらなくて、伝達する場所やツールが変化しているだけなので、ライブハウスがかつて持っていた価値を失いつつあることは、ほとんどのリスナーには関係がない。困っているのは、ほぼライブハウスに出るのが好きなバンドマンだけだと思う。

どちらにせよ、ピンチはチャンスです。