高橋祥平の復帰に思うこと(涙)

21世紀初頭からずっと東京ヴェルディを応援している身として、今回の高橋祥平の復帰は本当に嬉しいです。

【東京V】8年を経て果たされた高橋祥平と羽生英之社長の男の約束にもあるように、お金の問題で育成年代から手塩にかけて育ててきた選手を、本人の意向と関係なく他チームに売却せざるを得なかった。そういう経緯でやむなく移籍した選手が、またヴェルディに帰ってきた。

僕が応援している東京ヴェルディは、2009年から2020年までずっとJ2という、日本サッカーの二部リーグで戦っています。その間も高橋祥平のような才能あふれる素晴らしい選手をクラブ自前の育成組織で育て上げてきて、なかには日本代表になる選手もいたけど、チームとしてはより上を目指す選手たちのステップアップを見送っていくしかなかった(もちろん、クラブに金銭的見返りはあったのだろうけど)。

特に2010年~2014年くらいまでは、クラブの経営状態が非常に危なっかしい状態で、選手の意志に関係なく他チームに売却してお金に換えざるを得なかった。高橋祥平以外にも、同じタイミングの2012年シーズンいっぱいで移籍した和田拓也、2013年シーズンいっぱいで移籍した中島翔哉など、新聞報道を見るかぎり売らざるを得なかった選手がけっこういます。そういった選手たちが、こうやってまたヴェルディで戦ってくれることが、本当に嬉しくて涙が出ます

サッカー選手には野心を持って欲しいので、ヴェルディで子どものときから育った選手であっても、もっと上位のリーグに挑戦する流れは止められないと思っています。ただ送り出すからには、日本代表として名声を極めるか、あるいはいつかヴェルディに戻ってきて欲しいと思ってきます。

そういった意味で、祥平がずっとヴェルディのことを思ってくれていて、そして実際に帰ってきてくれたのは泣くほど嬉しい。

同じように、河野が完全移籍し、金銭的な事情で1年で手放さざるを得なかった林陵平も、復帰3年目のシーズンをルーキー時代と同じ背番号27番で戦ってくれます。

歯を食いしばって、育成上がりの選手が巣立っていくのを見送ってきたけど、円熟期を迎えたかつての生え抜きがチームに戻ってきて、それをまた応援できるなんてサッカーも捨てたもんじゃない。

そして祥平や河野が、在籍していた他のクラブがあろうとも、堂々と「いつか戻りたかった」とヴェルディ愛を語れることが、ずっと育成に力を入れてきた東京ヴェルディだけに許された特権であると信じたいです。